アパートの大規模修繕工事はいつがよい?

賃貸アパートの大規模修繕の実施時期は、
| 1回目 | 建築から12〜15年前後 |
| 2回目以後 | 前回から10〜15年に1度の周期 |
が目安とされています。また、次のような修繕工事も必要です。
| 屋上や廊下の手摺りの塗装 | 5年ごと |
| 室内設備のメンテナンス、排水管のメンテナンス | 5~10年目 |
| 外壁の塗装・修繕、屋上の防水塗装 | 10年ごと |
| 給排水管の交換や、貯水槽交換 | 30年 |
マンションとアパートの大規模修繕
建物の大規模修繕計画の策定は、分譲マンションのことを指します。分譲マンションでは、工事費用などについて、新築後30年程度の長期計画を作ります。管理組合が主導し、外壁塗装、屋上の防水、設備の取り替え、給排水管の取り換えなどの補修工事行っていきます。
賃貸アパートの大規模修繕も、マンションの大規模修繕と同じ内容で行います。マンションでは修繕費用は居住者が負担しますが、賃貸アパートではオーナーが全額負担が一般的です。
賃貸アパートのオーナーは、資金準備をしておくことが重要となります。災害・予想以上の内部劣化といった原因から、実際の大規模修繕費用が計画より大きくなる場合もあります。計画を立て、余裕をもって資金を準備しておくことが大切です。
アパート大規模修繕の相場
例:1棟10戸のアパート大規模修繕
| 築5〜10年 | 約110万円 |
| 築11〜15年 | 約330万円 |
| 築16〜20年 | 約220万円 |
| 築21〜25年 | 約330万円 |
| 築26〜30年 | 約220万円 |
30年間の修繕費用のトータルは、1200万円以上となります。またそれとは別に給湯器の交換、電気・ガス・消防設備のメンテナンス費用も頭に入れておきましょう。また、思いがけない自然災害の発生も考慮しなければなりません。余裕をもって、1500万円程度の修繕費用を見込んでおいた方がよいでしょう。
大規模修繕の資金の調達方法
修繕せずに放置すると
また、資産価値が低下して、売却時の売値が下がってしまうこともあります。
大規模修繕の費用を計画的に準備するためには
1.積み立て
2.リフォームローンの利用
などの方法があります。
積み立て
国土交通省の調査によると、60%以上のオーナー様が計画的な毎月の積立によって修繕に備えています。
家賃収入の一定割合を銀行に積み立てるのが一般的です。また損害保険会社が提供している積み立てマンション保険などを利用することもできます。
リフォームローン
金融機関では、住宅の改修・増築のためのリフォームローンを取り扱っているところが多く、アパートのオーナーも利用可能です。
リフォームローンの多くは上限が500万円ですが、担保を設定すれば1,000万円以上の借り入れができる場合もあります。ただしリフォームローンを利用する際に、建築時の借入金が残っていると返済額がかさんでしまいます。返済余力や資金繰りに余裕があるか確認しながらすすめましょう。
アパートの大規模修繕がもたらすメリット
アパートの入居率上昇が期待できる
外観が綺麗になると、アパートの入居率が向上します。
・外壁の色あせの改善・ひび割れや補修
・手すりの塗装や錆止め
・屋上の防水塗装
・内装や水回り設備のメンテナンス
などの補修工事を行います。10年周期で工事を行えば、古いアパートでも、十分なクオリティと美観が維持できます。大規模修繕には費用が多大にかかりますが、長い目で見れば、安定した入居率が見込め、家賃収入につながるでしょう。
減価償却の対象になる
大規模修繕の費用は、減価償却の対象になります。
・鉄筋コンクリートのアパートは法定耐用年数の47年間
・木造アパートは法定耐用年数の22年間
不動産所得から控除されるので、大きな節税効果が得られます。
資産価値の維持につながる
補修工事を行えば建物劣化を抑えることが可能です。大規模修繕によって、築年数が古いアパートでも綺麗な外観の維持、アパートの資産価値を維持できます。アパートの資産価値が維持できれば、
・家賃の低下、入居率の低下が防げ、収益を保てる
・アパートを売却するときに高値で売却できる
ということが見込めます。大規模修繕は、資産価値向上のとして活用するこができます。
事故を防止
建物の老朽化には事故が発生するリスクが高くなるといえます。例を挙げますと
・外壁の劣化による剥離、落下事故
・サビによって鉄製階段や手すりが落ちる
・コンクリートのひび割れによる鉄筋の腐食で耐久度が低下する
といった事故の発生予想できます。適切な時期に大規模修繕を行えば、劣化を抑え、事故の発生を防止することが可能です。
アパートの稼働年数UP
大規模修繕を行えば、アパートの劣化を防ぎ、アパートの稼働年数を伸ばすことにつながります。メンテナンスを行わなければ建物の寿命は短くなります。
賃貸経営は安定性と持続性が重要です。アパートを長く稼働させることは重要なことです。大規模修繕には多額の費用がかかりますが、長期的に見れば安定した収益性が期待できます。
スムーズな大規模修繕へのために建物診断を実施しよう
賃貸アパートの大規模修繕をスムーズに行うコツは、事前に建物診断を受けることです。建物診断は建築会社や外壁塗装会社、また専門の建物検査会社が行っています。アパートの現状や劣化状況を調査・診断し報告してくれます。
・劣化箇所の補修工事の提案
・補修工事のスケジュールの作成
・費用の見積もり
を提案してくれます。最適な大規模修繕を効率的に実施することができます。建物診断の費用は調査会社にも違いはありますが、10〜20戸程度のアパートなら6〜10万円程度です。
アパートは建築時に大規模修繕計画を作ろう
新しくアパートを建築する場合は、同時に大規模修繕計画をあらかじめ考えておくことをお勧めします。業者は、建物の設備の耐用年数を把握しています。したがって次回の修繕工事の時期や内容についても、見積もりをとることができます。今後、新たな賃貸アパートを建築する際は
・将来の修繕箇所と修繕工事の予定や内容
・必要になると見込まれる修繕費用
もあらかじめ見積もっておくとスムーズです。
