アパートで安定した家賃収入を得ていくには、計画的な修繕が必要でしょう。劣化部分を発見し、適切なメンテナンスを行うことで建物の劣化を抑え、住宅の価値を維持することができるでしょう。
大規模修繕の必要性
アパートオーナーにとって、莫大な費用がかかる大規模修繕は悩みのタネです。「何からしたらよいかわからない」「修繕しても入居者が安定するかどうかわからない」「資金の調達ができるか?」等、このようなことがオーナー様からよく聞かれます。
しかし、最近の日本のアパート経営事情を鑑みると、安定的な賃貸アパート経営のためには計画的な大規模修繕が必要と言えるでしょう。現在、日本には1,700万戸を超える民間賃貸住宅があります。今後、古くなった賃貸建物は大幅に増えると見込まれています。居住者側のニーズ増えており、また多様化、賃貸経営の社会経済情勢は変化し続けています。こうした時代の流れに対応していかなければ、所有する物件はどんどん陳腐化し、社会のニーズから外れ、家賃を下げなければ入居者が来ないという状況になっていきます。
安定した賃貸経営のためには、計画的な大規模修繕が必要です。社会のニーズに合わせて改善していく必要があるのです。
修繕と改修って何が違うの?
大規模修繕と一言で言ってもいろんな表現があり、混同しがちな用語がありますので、改めて確認しておきましょう。
まず、「修繕」と「改修」の言葉の意味です。
「修繕」とは、経年によって劣化した建物を回復させることをいいます。新築時の水準にまで戻すことです。「治す」ことです。
「改修」は、建物や設備の性能をさらにグレードアップさせることです。時代の変化によって、求められる機能やデザインは変わっていきます。改修によって建物全体の性能を時代に合わせて変えていきます。
「改修」と「リニューアル」は同じ意味になります。最近よく使われる言葉で「リノベーション」とは、「リニューアル」より上の言葉です。「リニューアル」より一段階グレードを高くする意味があります。利便性や先進性など一歩先行く改修が「リノベーション」といえるでしょう。
大規模修繕のメリットとは
建物の寿命を長く
定期的で計画的な大規模修繕により、資産としての寿命を延びます。安定した家賃収入が見込め、また建て替えよりも利益が見込めます。
入居率が高まる
第一印象が良くなります。約半数以上が「外観で決める」というアンケート結果もあります。入居が決まりやすくなり、安定して入居率を維持できます。
家賃の維持
住まいの価値を維持できるため、家賃を下げなくても入居率を維持できます。
建物の安全性を維持する
外壁の落下や階段や、手すりなどの劣化による事故などのリスクなくします。
工事の減少
緊急な不具合による工事対応が少なくなります。工事費用を削減することにもつながります。
節税効果
大規模修繕にかかる費用は減価償却にあてられます。経費として計上できるため、所得税や法人税を抑えることができます。
計画的な修繕を行う
長期修繕計画
長期修繕計画は月日が経てば、計画にズレが生じたり、社会の動きや災害などで劣化状況が変わったりすることがあります。また、建築の技術も進化していきます、最初の計画よりも安くで修繕工事ができる場合もあれば、物価や人件費が上昇することもあります。それを踏まえて、長期修繕計画は定期的に見直すことをおすすめします。
定期的な点検で不具合の発見できる
修繕を行うタイミングを計画しましょう。そのためには、こまめな点検が必要となってきます。定期点検で不具合のある箇所を発見できます。修繕が必要な箇所を早期発見できれば、一部修繕で済むこともあり、コストを抑える効果もあります。
建物診断を実施しよう
点検によって不具合を発見され、修繕計画が立ったら建物診断と精密な検査を行います。建物や設備の劣化、損傷の程度・範囲などを詳細調べ、細かい修繕内容を計画します。資金面を考慮しながら効率のよい修繕計画を立てることが重要です。
工事記録を残こそう
工事が終了したら、計画書、見積もり書、設計図や写真などの資料はすべてとっておくことをおすすめします。次回の修繕時に大変役に立つでしょう。
大規模修繕の流れ
入居者へお知らせ、近隣へごあいさつ
まず賃貸住宅の入居者に対する案内を行なわれます。必要であればオーナーが工事説明会を開催し、工事内容をはじめ、施工工程、作業の時間、騒音対策、安全対策、とお願い事項などを知らせます。また、工事日程が決定するとアパートの近隣へのごあいさつも行われます。
仮設工事
資材置場、倉庫、仮設トイレなどが設置されます。規模にもよりますが、工事で使用する電力と水の引き込み、排水処理、などの設備を行います。
下地補修
外壁のひび割れ、タイルの浮き・剥がれ、塗膜の剥がれなどの下地調査を実施します。ひび割れであれば、大きさ、発生箇所、発生要因によってポリマーセメントペーストで補修したり、エポキシ樹脂を注入したりして補修が行われます。その後に、コンクリート補修、タイル張補修が行われれます。
工事の種類
外壁塗装工事
外壁の塗料が劣化すると塗膜が剥がれ、雨水などが侵入し内部の鉄筋を腐食させていきます。古い塗膜を高圧洗浄で洗い流した後、鉄筋などの錆び止めを行ったのち、ヒビ割れ補修、埋め戻しなどを行った上に新たに塗装していきあす。
防水工事
年数が経つと防水層を劣化していきますので、屋上やベランダ、バルコニー、外部に晒された廊下は、劣化しやすい箇所といえます。劣化でヒビ割れ生じると雨水侵入しダメージを与えていきます。10〜15年に一度の防水工事が推奨されています。
シーリング工事
シーリング材は建物の防水性を高め、機密性を高める重要な材料です。つなぎ目や窓のまわりに使われます。しかし、経年劣化によって硬化します。そうすると機能を果たせなくなり、その機能を果たせなくなります。大規模修繕のときは足場が設置されますので、全体のシーリングの見直し、工事を行われます。
鉄部塗装
屋上手すり、ベランダ手すり、パイプスペースなど鉄製の部位は、錆が発生してきます。劣化が進むと事故を引き起こしかねません。錆や塗膜の剥がれを修繕した後に、錆止めと上塗りを行います。
足場解体前に最終のチェックを行う
足場解体の前に現場監督によりチェックが行われます。この検査では、外壁タイルや屋上の防水工事の改修確認、外壁塗装などの仕上げの確認を行います。問題なければ足場の解体が行われます。
足場解体工事の後、清掃を行います。
安定したアパート経営は大規模修繕が必要
大規模修繕はかなりの費用がかかるため、アパートオーナーにとっては躊躇するとおもいますが、安定した賃貸アパート経営には必要と言えるでしょう。計画的に修繕を行っていけば修繕費用の計画も立てやすいでしょう。
修繕を行わずに建物が劣化していけば、入居率が下がる他、劣化が大きくなり改修の費用かさんでいきます。すると、さらに劣化が進むということになっていきます。

